皆さんはアバンギャルドという言葉を聞いたことはありますか?何となくふんわりと使っている人が多く、実際にどんな意味なの?と聞かれるとはっきりと答えを言える人は少ないと思います。
元々はフランス語で「前衛」という意味があり、先頭に立って敵軍を襲撃するような部隊のことを指します。しかし、現代の日本では「独創的」とか「最先端」という意味で使われることが多いです。
流行の言葉は意味は分からないけど、みんな使ってるからといって使用している人も少なくないはずです。
そこで今回はアバンギャルドという言葉について深く掘り下げて紹介していきたいと思います。間違った使い方をして恥をかかないようにここで正しい使い方を把握しましょう。
目次
アヴァンギャルドの本来の意味と最近の意味
冒頭でも紹介しましたが、アヴァンギャルドとは元々はフランス語で「 avant‐garde 」と表記されます。軍隊の用語で「前衛」とか「前衛部隊」のことを指す言葉として使われていました。しかしと気が経つにつれて少しずつ意味が変化していき、革新的だったり前衛的な芸術や音楽、既成の芸術観念などを否定するような最先端な芸術のことをアバンギャルドと呼ぶようになっていきました。
また第一次大戦後、欧州に興った芸術革新運動。抽象芸術・シュールレアリスムなどに代表される前衛派という意味もあり、ざっくり言えば独創的で今までにないような考え方だったり作品を作る人のことを言うのです。今までの常識にとらわれずに前衛で芸術を引っ張るような、まさに今の世界の流れを象徴するような言葉なのです。
さらに、芸術だけではなく美術や音楽、映画や書道などの文化的な要素のこと全てで使われるようになり、それぞれの分野ごとにアヴァンギャルドと呼ばれる人が存在します。中でも革命を繰り返し発展しているファッション業界では頻繁に使われ鵜ようになっています。アヴァンギャルドを聞いたことがあるという人も恐らくファッション系で使っている人が多いはずです。
ファッションショーはアヴァンギャルドの宝庫
ファッション業界で多く使われるようになったアヴァンギャルドですが、一番アヴァンギャルドを体感できるのはファッションショーではないでしょうか?特に海外のファッションショーなどでは今まで見たことがないような独創的な服が一同に集まり、見ている人を魅了しています。常に進化を続けている業界で、流行りも一瞬で終わっていくのが特徴ですよね?
また最先端や独創的とは微妙にニュアンスが異なる使われ方としては「挑戦的」や「奇抜」などという意味もあります。実際に海外のファッションショーを一般の人が見るとたまに「なんだあの服…一体どこで着るんだ」と思うような服もあると思います。しかしそれこそがまさにアバンギャルドなのです。一般の人には理解されにくいという意味でも定着してきているのです。そのせいで良い意味だけではなく、悪い意味と捉える人もいるので使う時には注意が必要です。
アヴァンギャルドの使い方
実際に気付いたら流行し少しずつ定着している言葉なので、これが正解!っていう使い方はないと思います。しかし、「この服アヴァンギャルドだね」とか「アバンギャルドな音楽を目指しています」とか「このデザイナーはかなりアヴァンギャルドだ」という使い方をしている人が多いと思います。意味もかなり曖昧なので何となく言いたいことが伝われば良いと思って使っている人が多いようです。
アヴァンギャルドな人の特徴とは!?
ここまでで何となくアバンギャルドを掴めて来たのではないでしょうか?さらにこんな人がアバンギャルドと呼ばれているという特徴を5つに分けて紹介したいと思います。実際に、決まりがあるわけではなくイメージな部分が強いため、人によっては見方や感じ方が違う可能性もあります。雰囲気を感じる感じで見て頂ければ嬉しいです♪
独創的で個性的な人
やはりアバンギャルドの大きな特徴としては人とは違う感性を持っており、独創的で個性的な人のことを指すと思います。特に自分の芯や世界観をしっかりと持っており、他の人が好きそうだからではなく「自分がこうしたいから」を基準に考える人が多くいます。
また上辺だけで「こうしたら独創的に見えそう」とか「こうすれば一目置かれそう」と計算でやっていないことも特徴の一つだと思います。むしろ「なんでこれが理解されないんだ!?」と他の人とのずれに悩むくらいの人がアバンギャルドと言えるでしょう。そういう人が革命的な発明をしたり、最先端で戦っていくセンスを持っているのです。
大胆で周りの目を気にしない人
普通ならこの服装で外に出たら引かれそうだな…とか考えるのが一般的だと思います。しかしアバンギャルドな人はそんなことは考えません。むしろ「どうだ!」と言わんばかりに大胆な恰好でも堂々としています。これは先ほども紹介したように自分の芯や世界観を持っているからだと思います。
自分が良いと思ったことは周りの目など気にせずに実行するので、必然的に大胆な恰好になって行ったりする傾向があります。そのため、個性的なアイテムや色使いをすることも多くなります。しかも何故かそれが似合ってしまうのもありますね。
目立ちたいからではなく、そうしたいからというのが大きな特徴ですね。アバンギャルドを目指すなら自分の芯を強く持つことが重要になります。
自分を表現するのが上手な人
アバンギャルドと呼ばれる人は自分を表現するのが得意な人が多くいます。自分の中に眠っている才能や考えを常に表現しているような人をアバンギャルドな人と呼ぶと思います。もちろんそれがファッションでもいいですが他にも自分を表現するには音楽や絵画などもあります。
音楽もかなり分かりやすいですよね。しかし、誰かに影響を受けやすい音楽だとアバンギャルドになるには少し大変かもしれませんね。凄いいい曲を作ったとしてもすでに先駆者が多くいるため、どこかのタイプに属してしまうのが現状です。もちろん最先端を行く人もいますが、なかなか難しいと思います。しかし、新たなジャンルを開拓する人は皆アバンギャルドと呼ぶにふさわしい人がばかりだと思います。
常に挑戦し続ける人
アヴァンギャルドな人は挑戦をやめることがありません。まさに前衛的で、常に先のことを考えています。立ち止まることはなく、前を向き続けている人もアバンギャルドと呼ぶにふさわしい人だと思います。どの業界でも流行があり、その流行の移り変わりは早く先のことを見ていかないと先駆者になることはできません。
むしろ他にはない自分の表現を世間に認めてもらえるように挑戦し、成功した人がアバンギャルドと呼ぶにふさわしい人になるのかもしれませんね。現状に満足してしまったらアバンギャルドとは真逆の状態になると思います。難しいかもしれませんが、常に挑戦し戦うことをやめないようにしましょう!
変化を求める人
最後の特徴は変化を求める人です。今まで紹介したアバンギャルドな人にも似ていますが、今までと同じことを極端に嫌う人が多くいます。たまたま自分の表現が他の人と同じになるということもあると思いますが、それでは満足できません。
どの業界でも今までの常識を打ち破れるような人がアバンギャルドになると思います。温故知新という言葉ある通り昔、過去のことを重んじることは大切ですが、そこから新しいものを生み出すことはとても重要になります。今までにないものを生み出すことができれば、それが最先端となりアバンギャルドになるのです。
アバンギャルドを例えるなら誰!?
アバンギャルドの特徴や使い方、アバンギャルドと呼ばれる人の特徴を紹介しましたが、まだピンとこない人のためにこの人はアバンギャルドだ!という有名人の方を紹介します!色々な業界で最先端を行く人だと思うので参考にしてみてください。
- スティーブ・ジョブズ
- 渡辺直美
- 草間彌生
などが挙げられると思います。iPhoneで有名なアップルの創設者のスティーブジョブズさんはまさにアヴァンギャルドですね。今までになかったようなみんなが驚く機能を考えたり、常に同じ服を着ていたりと上記で説明したような特徴がたくさんある人だと思います。その思いが亡くなった今でも続いていることはとても凄いことだと思います。
さらに日本の芸能人だと渡辺直美さんはアバンギャルドな人だと思います。個性的な髪型にファッション、また体型を活かした挑戦も常に行っており、インスタのフォロー数は900万人近くになっており、自分の表現が世間に認められているまさかにアバンギャルドです。
また芸術家として世界的に有名な草間彌生さんもアバンギャルドな人と言えるでしょう。幼い頃から悩まされていた幻覚や幻聴から逃れるために、それらの幻覚、幻聴を絵にし始めたことがきっかけで有名になりました。1957年に渡米すると様々な革命を起こし1960年代には「前衛の女王」という異名を持ち、まさかにアバンギャルド中のアバンギャルドな人なのです。
まとめ
今回はアバンギャルドという言葉について深く掘り下げて紹介しました。芸術や音楽、ファッションと同じようにこれが正解というものがないため理解することが難しい言葉でもあると思います。しかし何となくでも特徴を掴めたのではないでしょうか?もしかするとあなたの近くにもアバンギャルドがいるのではないでしょうか?
アバンギャルドで一番難しい事は、それが認められることだと思います。もし、独創的なことをやっても認められない限りアバンギャルドとは言えないのかもしれませんね。逆にもし認めてもらうことができれば、他にはないものなので一気に活躍をすることができると思います。
普段の生活の中でもアバンギャルドな人やアバンギャルドな物などがたくさんあると思うので、意識して生活してみてはいかがでしょうか?