生理用品として思い浮かべるのは「生理用ナプキン」や「タンポン」ですよね。しかし生理用ナプキンはムレたりかぶれたりニオイが出てたりするし、着用感もよくなかったり、タンポンは毒素性ショック症候群、トキシックショック症候群を発症してしまうこともごく稀にあり、まだまだ生理用品には課題がありますよね。そんな中で今注目されているのが「月経カップ」という新しい生理用品です。
月経カップについては数年前から話題になっていたため、その名前を知っているという人も少なくないのではないでしょうか?しかし、実際に月経カップを使ったことがあるという人は今現在でもほとんどいないのではないでしょうか?月経カップを使う人が増えない理由に、正しい情報が知られていないということがあります。日本では月経カップを使っている人が少ないため、どうしても口コミがなかなか広まらないのです。そこで今回は、月経カップを実際に使った人の体験談をご紹介させていただきたいと思います。月経カップを使うに当たって気になる7つのポイントについて解説させていただきたいと思いますので、是非チェックしてみてくださいね。
目次
月経カップって?
月経カップとは、生理用ナプキンやタンポンに変わる新しい生理用品のことです。エヴァカップ、ディーバカップなどいくつかの種類の月経カップが販売されています。英語ではMenstrual cup(メンストラルカップ)と呼ばれる月経カップはアメリカ、カナダ、イギリスなどの英語圏で作られ、販売されているのが主で、シリコン製でろうとのような形をしています。柔らかいシリコン製の月経カップは正しい使用方法で膣の中に入れ、タンポンと同じように使用しますが、タンポンとは違って月経カップはほとんどの商品が再利用することが可能となっています。どのくらい再利用することが出来るかというと、10年以上は再利用して繰り返し使うことが出来ます。
日本では最近になって知られるようになった月経カップですが、実はアメリカでは1930年台には既に月経カップが存在していました。しかしながら当時の月経カップは現在のシリコン製の月経カップのように柔らかくなく、硬い素材だったためあまり普及することはありませんでした。1950年にゴムなど、柔らかい素材が使われるようになってから普及し始め、現在では欧米を中心に世界中の女性が月経カップを使っています。日本では2017年7月からFDA認可シリコンゴム製の「ローズカップ」という商品が発売されており、初の国産月経カップとなっています。ローズカップの特徴としては、日本人に合わせて一般的な月経カップよりも一回り小さく作られています。
日本では当たり前に生理用ナプキンやタンポンなどの生理用品を使うことが出来ますが、東アフリカで生きる女性たちはそうもいきません。ケニアでは生理用ナプキン1パックは75シリング(約100円)です。「日本よりも安いじゃん!」と思うかも知れませんが、実はこれはかなり高級品。なぜなら、ケニアの未熟練労働者の平均日当は約150円だからです。生理用ナプキンを買って日当の三分の一が無くなってしまうなんて信じられませんよね。高い生理用ナプキンを変えない生理中の人たちは、葉っぱやマットレス材、新聞、最悪の場合には泥を使うそうです。不衛生なものを使えば当然、感染症などの危険も出てきますよね。そんな東アフリカの女性たちの生活を「月経カップ」が変えるのではないかと月経カップを配布する取り組みが行われています。
タンポンの危険性
タンポンの危険性について聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか?タンポンは極稀にですがトキシックショック症候群を引き起こす可能性があります。
トキシックショック症候群はかなり危険で、死に至るほどの深刻な病気です。「黄色ブドウ球菌」と呼ばれる細菌の毒素によって行き起こされ、トキシックショック症候群が発症した場合の生存率はなんとたったの1%。トキシックショック症候群はとても稀な病気ですが、誰でも罹患する可能性があります。ごく短期間で重篤な病態を引き起こす敗血症の一種で、トキシックショック症候群の発症者の半数はタンポンを使用して居た人となっています。モデルのローレン・ワッサーさんもトキシックショック症候群を引き起こし、運良く命は助かったものの、両足を切断しなくてはいけなくなってしまいました。
ローレン・ワッサーさんがタンポン使用後、トキシックショック症候群が原因で血圧低下、高熱、臓器不全、心臓発作といった命に関わる症状に見舞われ、脳にダメージが出ることを避けるため薬で昏睡状態が保たれ延命措置が施されました。しかし、生存率はたったの1%。家族には死の宣告がされていましたが、なんとか一命をとりとめたのです。一体どうして足を失うことになってしまったのかというと、血圧が下がってしまい、生命維持に必要な内臓などの臓器にダメージが及ばないように血圧を上げる処置を行ったため。それにより命は助かったものの、手足に血液が供給されなくなり、足に十分な酸素が送られず、壊疽してしまったのです。
使用者に聞く!月経カップについて気になる7つのこと
では、月経カップには一体どんなメリットがあるんでしょうか?これから月経カップを実際使ったことがある人が使って感じたことをご紹介させていただきたいと思います。「月経カップってどうやっていれるの?」「痛くないの?」「本当に漏れないの?」「出先のトイレでどうやって処理するの?」などなど、月経カップについて気になることは沢山あると思います。これから詳しくご紹介させて頂きますのでチェックしてみてくださいね。
気になることその1「スムーズに装着出来るの?」
まず気になるのが一体どうやって月経カップを装着しているのかということではないでしょうか?月経カップには装着方法にコツがあり、最初は「開かない…」と何度も入れ直してしまう人がほとんど。月経カップは縦に折り曲げてからタンポンのように挿入していきますが、月経カップの挿入のコツとしては下の方で少し開いておいてから入れるといいそうです。
気になることその2「痛くないの?」
ろうとのような形の月経カップは一見大きく見えますよね。しかし、小さく折りたたむとタンポンくらいの大きさになります。そのため、正しい場所に月経カップを挿入すれば痛みもなく、また、ほとんど違和感もないそうです。どのくらい違和感がないかというと、入れているのを忘れてしまうことがあるほどなんだとか。
気になることその3「漏れないの?」
月経カップというだけあって、カップのような形をしている月経カップ。経血が漏れてしまわないのか気になりますよね。カップが開き残ってしまっている時や、交換するのを忘れてしまうなどしてカップから経血が溢れてしまった場合は漏れてしまうこともありますが、1日2~3回ほど交換すれば漏れてしまうこともないようです。寝ている時も日中動いている時も漏れないという人もいれば、交換を忘れて漏れてしまったという人もいるようですが、月経カップを使っている人の中にはこのような漏れに備えて月経カップと一緒にナプキンも使用しているという人もいます。
気になることその4「トキシックショック症候群の心配はないの?」
タンポンを使用することでごく稀に引き起こされることがあるトキシックショック症候群。トキシックショック症候群が引き起こされるのはタンポンの説明書を超える長時間使用することで雑菌が繁殖することが原因だと言われており、タンポンの素材もトキシックショック症候群に関わっているとされています。しかし、月経カップの素材であるシリコンは安全性も確認されています。月経カップの装着時間は最大で12時間とされていますが、正しい使用方法で使用すれば危険もないとされています。
気になることその5「外出先での処理はどうしてるの?」
生理用ナプキンやタンポンなら使ったのは捨てて新しいのを使えばいいですよね。しかし、月経カップは洗って再利用するものです。外出先で一体どうしてるのか、どのようにして交換するのかということはかなり気になるポイントですよね。
一体どうやって処理しているのかというと、トイレに流せるオムツ替え用ウェットティッシュやトイレットペーパーを使っている人が多いようです。ウェットティッシュを使ってカップを取り出せばほぼ手も汚れずに済むんだとか。12時間装着できるため、そもそも外出先で無理に処理する必要もないという人もいますが、処理が必要だという人はウェットティッシュを用意しておくといいでしょう。
気になることその6「煮沸消毒してる?」
月経カップは使った後は煮沸消毒する必要があると説明書には記載されています。鍋で煮沸消毒したり、月経カップ専用の消毒容器を購入すれば電子レンジでも消毒が可能なようです。
気になることその7「実際に使ってみてどうだった?」
実際に月経カップを使ってみた人はどんな風に感じているのかというと「生理から解放された」と感じたそうです。月経カップでは装着可能時間内ならば自分のタイミングで経血を処理することが出来ます。そのため、自分で生理をコントロール出来ていると感じることができるのです。そのため、月経カップを実際に使ってみた人は生理から解放されたと感じることが出来るといいます。
生理はたしかに、生理痛があったりナプキンやタンポンの交換で煩わしかったりしますよね。それが月経カップならより安全に自分のペースで使用することが出来るため、より快適に生理と付き合っていくことが出来るのです。
まとめ
月経カップについていかがでしたでしょうか?月経カップはメリット・デメリットがあるだけでなく、自分に合う・合わないという部分も存在しています。高いものではない上に一度買えばずっと使い続けることが出来るため、気になる人は月経カップを使用してみてはいかがでしょうか。