「あなたの番です」はおっさんずラブで大人気となった田中圭さんが主演のドラマで、原案が秋元康さんであることから放送開始前からかなり注目度が高かったドラマです。毎週日曜日に日本テレビ系で22時30分から放送され、2019年4月14日から放送開始し、9月8日で最終回を迎えました。回数は20話と、そして特別編となっています。
最近は配信などもあるため視聴率はあてにならないとも言われていますが、この「あなたの番です」は視聴率がぐんぐん上昇。最終回にはなんと自己最高視聴率である19.4%を記録と、有終の美を飾りました。最終回の内容については賛否あるようですが、一体「あなたの番です」はなぜここまで多くの人に注目され、大ヒットを記録することになったのでしょうか?
この記事では「あなたの番です」のヒットの裏に隠された3つの理由についてご紹介させていただきたいと思います。「あなたの番です」を観ていた人も、「あなたの番です」をまだ観たことがないという人もぜひチェックしてみてくださいね。
目次
「あなたの番です」は連続殺人ミステリー
「あなたの番です」は原田知世さんと田中圭さんら年の差婚の新婚夫婦が引っ越してきた新居のマンションで起こる連続殺人事件を描くミステリードラマで、秋元康さんが企画と原案を担当されています。キャストも30人以上と多く、第1章、第2章の反撃編で構成されています。
一体なぜマンションで殺人事件が起こるようになってしまったのかというと、ご近所付き合いでよくあるご近所トラブルのガス抜き目的で住民会で行われた「交換殺人ゲーム」がきっかけ。このゲームでは死んでほしいと思っている人の名前を書き込みますが、ただのゲームだったはずが本当に次々と人が殺されていくことに…。
このドラマで重要なのが、ただの連続殺人事件というわけではなく、「交換殺人」であるということです。交換殺人とは自分が殺したい人を自分で殺すのではなく、殺したい人を書いた紙を交換し、その紙に書かれた「誰かの殺したい人」を殺すというもの。これによって、殺人の犯人だけではなく「なぜ殺したのか?」という動機を特定できなくしています。
ドラマの中でも最初はもちろん、みんな冗談だと思っていました。しかし、実際に殺人が行われるとマンション中がおそそれおののきます。主人公である原田知世さんと田中圭さんの夫婦は普段からミステリー好きだったこともあり、この交換連続殺人事件の謎を解こうとしますが、なんと主人公の1人だった原田知世さん演じる妻が何者かによって殺されてしまうという衝撃的な展開に。ここで第1章が終了し、第2章からは田中圭さんを主人公にした「反撃編」が始まります。
原田知世さんと田中圭さん演じる年の差婚夫婦はいつもラブラブで、ミステリードラマには似つかわしくないほどほのぼのしていました。夫婦が主人公ということからこの2人が謎を解き明かしていくというドラマだと思いきや、まさかの妻の死…。物語の折り返し地点で視聴者は大きく裏切られることになった訳です。しかしこの1章から2章への転換期があったからこそ視聴率がここまで上がることになったのです。実際、2章に切り替わるというところで大きく視聴率がアップしました。
「あなたの番です」が人気を集めた3つの理由
「あなたの番です」の簡単なあらすじについてご説明させていただきましたが、ここからは「あなたの番です」がここまで人気になった理由について詳しくご紹介していきたいと思います。
面白いドラマはたくさんありますが、人気を集めるのにはそれなりの理由があります。一体「あなたの番です」は何が理由でここまで人気を集めることになったのでしょうか?
理由その1「共感ポイントが高い」
「あなたの番です」は上でもご紹介の通り、マンション内で起こる交換殺人がテーマとなったドラマです。この交換殺人のきっかけとなる「交換殺人ゲーム」が行われるようになったのは、ご近所トラブルから。
ご近所トラブルというのは私達の暮らしている現実世界でもよくあることですよね。ご近所さんの言動が気になったり、文句を言ったり、言われたり、変な人だったり…。一軒家で家同士が離れていれば気にならないでしょうが、マンションで暮らしていればご近所付き合いは避けることは出来ません。実際、ご近所トラブルから殺人に発展してしまったということも現実で起こっています。そして、「あなたの番です」ではこのようなご近所トラブルをとても上手にフィクションとして仕上げているのです。
とはいえ、面白みのないキャラクターでは、話がダレてしまいます。また、30人以上も登場人物が出てくるのにキャラクターに面白みがなければ誰が誰なのかわからず、訳がわからなくなってしまいますよね。「あなたの番です」に登場する住民はユニークな人ばかりで、特に話題になっていたのはミキサー主婦です。木村多江さん演じるミキサー主婦は隠し部屋に子供を監禁したり、ハンドミキサーで攻撃を仕掛けてくるなどインパクト抜群。ミキサー主婦という一見わけのわからないネーミングも一度聞いたら忘れられない面白さですよね。
その他にもかわいいけど武器なストーカー気質な女性や、他人のゴミを漁る住民、嫁姑問題に悩む家族、高齢者の介護や外国人居住者問題など…交換殺人ゲームはとても共感出来るものではありませんが、それ以外の部分で共感出来る部分が多く「こんな人がいたらヤバイ」と楽しみながら見ることが出来ます。
また、意味がわからないけどちょっと面白いエピソードが、袴田吉彦が殺される話です。ドラマ内では「袴田吉彦」という俳優が存在している設定になっていますが、袴田吉彦さん演じる袴田吉彦に似た住民の名前を死んでほしい人を書く紙に書いたところ、マンションの住民でもないのに袴田吉彦が殺されしまうなど、突然のメタ展開もあったりと、一筋縄ではいかないドラマとなっています。ちなみに袴田吉彦さんはアパ不倫もネタにされていました。
理由その2「SNS」
今やTwitterやInstagramなどはやっていない人のほうが少ないんじゃないかというほど、多くの人がやっていますよね。テレビドラマは人気のジャンルがあり、「医療モノ」と「事件モノ」は特に人気のジャンルとなっています。そして「あなたの番です」は事件モノのドラマです。
1話完結モノが好まれる現代ですが、「あなたの番です」は1話完結ではない変わりに毎回マンションの住民が1人、また人と殺されていきます。しかも、死に方にかなりインパクトがあるため視聴者としては次は誰が死ぬのか、どうやって死ぬのか…次回に期待して楽しみにしてしまうわけです。誰が死ぬのかを楽しみにするなんてかなり不謹慎なように聞こえてしまいますが、フィクションだからこそ思いっきり楽しむことが出来る訳です。事件モノが人気の理由はこんなところにあるのかもしれません。
また、ドラマの演出も凝っています。ホラー映画やスリラー映画には見ている人を脅かすような仕掛けが随所に散りばめられていますが、「あなたの番です」にもそんな仕掛けが沢山あり、視聴者のワクワク、ハラハラ、ドキドキ感を盛り上げてくれるのです。
更に、事件モノのドラマの楽しみはこれだけではありません。同じドラマを見ている人の「考察」をSNSで検索して楽しむことが出来るのです。連続ドラマは放送まで1週間ありますが、次回放送までは「考察」をしながらたっぷり楽しむことが出来ます。「犯人は一体誰?」「動機は?」「次に殺されるのはあの人」などなど、考察は無限大です。ドラマには「あいつが怪しい」と思わせるようなカットも見せられているため、放送後は視聴者たちの考察大会が開始されるのです。しかも、大きな謎は残したまま、小さな謎は解明されていくのでカタルシスも感じる事ができます。
1990年代のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」や海外ドラマ「ツインピークス」などから盛り上がるようになった考察は今では当たり前になり、考察ありきで作られている部分もあるのかもしれません。考察するということはつまりそのドラマについての情報が拡散されることでもあり、盛り上がりはどんどん広がっていきます。考察を楽しむことが出来る作品ほど、SNS時代の現代では高い人気を得ることが出来るといえるのではないでしょうか。
理由その3「見る人を選ばない」
登場人物も多く、また、事件モノというのは老若男女どんな人でも楽しむことが出来るジャンルです。ミステリー好きの一人暮らしの人はもちろん、ファミリーでも、老若男女誰でも楽しむ事ができるというのも「あなたの番です」がヒットした理由の一つであると言えるでしょう。
また、「あなたの番です」は毎回バタバタと人が殺されていきます。そのため第2章からは新しい登場人物が追加されることに。そして新キャストとして追加されたのが今女性たちから絶大な人気を誇っている横浜流星さんです。コミュニケーションが苦手な横浜流星さんの役柄は突然キレたりと見どころも満載。おっさんずラブで大人気となった田中圭さんと女性人気の横浜流星さんのコンビで事件解決…これだけでもはや最強ですよね。
また、第2章では第1章で殺されてしまった妻のことを思って田中圭さん演じる夫が歌う「会いたいよ」という歌も流れ、ミステリーとして楽しめるだけでなく、心揺さぶられるシーンもあります。
まとめ
「あなたの番です」の人気の理由についてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか。20話とかなりのボリュームでじっくりとエンターテインメント性に溢れた交換殺人ゲーム事件、そして考察を楽しむことが出来るはミステリーでありながら、様々な楽しみ方が出来る作品です。気になった方はぜひ一度「あなたの番です」を観てみてはいかがでしょうか。