新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中に蔓延し、世界各地でロックダウン(都市封鎖)が行われています。
日本でも緊急事態宣言が発令。当初、5月6日までとなっていましたが全国で期間が1ヶ月ほど延長される見込みです。
外出しなくても自宅でリモートワークで対応できる人やお子さんがいる場合などは自宅にいることが多くなりますが、外に出られないというのは思っている以上にストレスが溜まるものですよね。
もし今、心身の不調があるのであればそれは自律神経の乱れからきているのかもしれません。
この記事では自律神経とはどのようなものなのか、乱れるとどのようなことが起こるのかや、自宅でもできる自律神経の整え方をご紹介したいと思います。
自律神経の乱れを感じている人はもちろん、まだ自律神経の乱れは感じていないという人も、いざという時のために覚えておくといいですよ。
目次
自律神経について
「自律神経失調症」など、自律神経という言葉は耳にすることも多いですよね。
でも、実際に自律神経が私たちの身体にどのような影響を与えているのか、どんな役割を担っているのかということについて、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、ここからは自律神経について詳しくご紹介していきたいと思います。
自律神経とはどんなものなのか、自分の身体の中でどのような働きをしているのか。自律神経について知ることで、自分の心身の不調にいち早く気付き、対処することができるようになりますよ。
生命活動を司る重要な神経
そもそも自律神経とはどんなものなのかというと、簡単に言えば「人間の生命活動には欠かすことができない重要な神経」です。
呼吸、血の循環、内臓の働き、新陳代謝、体温調節、消化吸収など、人間が生きていく上で欠かすことができない機能をコントロールしているのが自律神経です。
どれも人間が生きていく上で欠かせない機能であり、これらをコントロールしている自律神経は24時間365日働き続けています。
そう考えると、自律神経がいかに重要であるのかということがわかりますよね。
自律神経には2種類あり、「交感神経」はアクセルのようなもの。一方の「副交感神経」はブレークのような役割を果たしています。
日中は交感神経が優位になり、夜になると副交感神経優位に切り替わっていくというのが人間の本来のリズムです。
この2種類の自律神経の作用の仕方によって、人間の心身の調子が変化します。
交感神経が優位な時には瞳孔が拡大し、血圧が上がって心と身体が興奮状態になります。人間は基本的に日中に活動する生き物なので、日中に交感神経が活発になるのです。
副交感神経が優位になると、瞳孔は収縮して心拍数が少なくなり、血圧も下がって心身は休んだ状態になります。
自律神経が乱れると不調に
自律神経が乱れるとどうなるのかというと、心や身体に様々な不調が生じます。
本来ならば心身の調子をしっかりコントロールしてくれている自律神経が乱れることで、その異常が表面化してしまうのです。
- 不眠症
- イライラ
- 疲労感
- 冷え
- 便秘
- 肩こり
- 不安
- 全身のだるさ
- 多汗
- 吐き気
- 頭痛
- 手足のしびれ
- めまい
- 動悸
- 不整脈
などなど、自律神経は乱れることで様々な症状が見られるようになります。
「何となく気分がよくない…」こんな気持も、自律神経の乱れが関係している可能性が大きいです。
Twitterでも、自律神経の乱れから自律神経失調症になりかけてしまったというエピソードを描いた漫画が話題になったことがありました。
自律神経の乱れから自律神経失調症になると、ひいてはうつ病につながってしまう恐れもあります。
「単なる心と身体のちょっとした不調」と思って放っておくのではなく、重要な兆しであると考えて早めに対処を行うのがオススメです。
コロナによる外出自粛で自律神経失調症になりかけた話を描きました。似たような不調を感じた方に個人的な解決法も載せてます。窮屈な日々ですが皆様なんとか乗り切りましょう…! pic.twitter.com/2F24Vi8BOZ
— 小林拙太 (@setta_kobayasi) April 11, 2020
性別無関係に乱れが生じる
自律神経の乱れに、性別は関係ありません。男女ともに自律神経の乱れは起こります。
副交感神経の機能低下は、女性よりも男性の方が10年早くスタートすると言われています。
そのため、自律神経の乱れが原因の不調は男性の方が感じやすいと考えられています。
子供の場合は自律神経の影響を比較的受けにくく、自律神経が乱れてくるのは20歳前後という、社会に出て多くの刺激を感じ始める大人の年齢以降となっています。
10年で15%機能低下
自律神経は年齢にも関係しており、ケアをしなければ10年で15%ずつ機能低下していくとされています。
男性は30歳、女性の場合は40歳以降から副交感神経の機能は急激に低下するため、自律神経が乱れやすくなります。
よく「年を取ると怒りっぽくなる」といいますが、これはこの副交感神経の機能低下が原因の一つと考えられています。
加齢は止めることはできませんが、副交感神経の低下は生活習慣を改善することで対処可能です。
交感神経と副交感神経のバランスが大切
自律神経は2種類ありますが、バランスが重要です。交感神経だけが整っていても、副交感神経だけが整っていてもダメ。
交感神経と副交感神経は1対1〜1対1.5が理想的なバランスとされています。どちらか一方だけが高いのではなく、その時に合わせてどちらが優位になるのかということが大切です。
緊張する場面では交感神経優位に、リラックスする場面では副交感神経優位にといったように、その時に適したバランスが重要となります。
春・夏・季節の変わり目は要注意
自律神経は乱れやすい季節があります。
1つ目が春です。春は入学や入社など、初対面の人と会うなど、精神的な刺激を受けたり緊張したりする機会が増えるため、自律神経が乱れがちに。
また、部屋の中と外との気温の差が大きくなる夏の注意が必要な時期です。涼しい室内と暑い屋外を行き来することで体調が乱れ、それが自律神経の乱れを招きます。しっかり水分補給をしたり、気温差に気をつけるようにしましょう。
その他にも、季節の変わり目も注意が必要です。梅雨や秋も自律神経に注意しておくといいでしょう。
コロナ外出自粛中の自律神経の乱れを整える5つの方法
ここまでで、自律神経がいかに人間にとって重要なものなのであるかということがおわかりいただけたのではないでしょうか?
2種類ある自律神経が昼と夜で異なる役割を担っていることからもわかるように、自律神経のバランスは「オン」と「オフ」の切り替えが非常に重要です。
しかしながら、リモートワークやテレワークなど自宅にいることが多くなると、今までは外に出て陽の光を浴び、夜になって帰宅するという当たり前のリズムが崩れてしまいます。
物理的にオンオフの切り替えができなくなってしまうことで、自律神経が乱れてしまうのです。
乱れてしまった自律神経は、早めに整えてあげることが大切です。
ここからは「自宅でできる自律神経を整える方法」をご紹介させていただきたいと思います。
1、生活リズムを整える
ずっと家にいると、ついつい生活リズムが乱れてしまいますよね。
遅くまで起きていたり、朝だらだらと二度寝をしてしまったりすると、生活リズムが乱れてしまいます。
自律神経は睡眠の質にも密接に関わっているため、いつも通りの時間に寝て、いつも通りの時間に寝ることで自律神経の乱れを防ぐことができます。
今、心身の乱れを感じている人はもしかしたら生活リズムが乱れてしまっているのではないでしょうか?一度、自分の生活を見直してみましょう。
その他にも、お風呂の時間や食事の時間もなるべく同じにすると生活リズムを整えやすくなりますよ。
朝起きたらカーテンを開けて、陽の光を浴びると夜も寝付きやすくなります。
2、意識的に立ったり座ったりする
普段であれば、休憩時間はコンビニや食堂や飲食店に行ったり、コーヒーや紅茶を買いに行ったりと立ったり歩いたりする習慣がありますよね。
しかし、自宅の場合はどうしてもこのような習慣を忘れがち。外出自粛中なので、外にランチを食べにいくこともできません。
そこで、時間を決めて意識的に身体を動かすようにしましょう。同じ姿勢を続けていると自律神経が鈍くなってしまうため、注意が必要です。
3、身体をしっかり温める
冷えは心身の不調を招きますがこれは自律神経にも言えることで、しっかりと身体を温めることが大切です。
体温が高くなるとリンパ球が活性化されるため免疫が向上します。副交感神経は温まることで優位になるため、免疫だけでなく質の高い睡眠にも繋がります。
仕事が終わったらお風呂に入って、ゆっくりと身体を温めるといいでしょう。
4、仕事とプライベートを切り替える
自宅で作業をするとなると、どうしても仕事とプライベートの切り替えが難しくなってしまいますよね。
しかし、自律神経はオンオフが大切であるとご紹介した通り、切り替えが重要です。
意識的に「仕事の時間」と「プライベートの時間」を切り替えるようにすることで、気分を変えることができますよ。
自宅だからと部屋着やパジャマのままでいるのではなく、顔を洗って服を着替えてから仕事をするようにしましょう。
5、不安なニュースを見すぎない
今はどうしても見ていると不安になるニュースが多いですよね。
情報を集めることも大切ですが、気分が落ち込んできているなと感じたら一旦ニュースを見るのをやめるのがオススメです。
ニュースを見るのは朝と夜、時間を決めて見るようにすれば必要な情報を逃すこともありません。
まとめ
新型コロナウイルスが招いたパンデミックは拡大しており、日本でも緊急事態宣言の期間延長を余儀なくされています。
今後も外出自粛が続くことが予想されますので、自宅での時間を少しでも快適に過ごすことができるように、自律神経を整えることを意識するといいですよ。
ぜひ今回ご紹介させていただいた方法を参考にしてみてくださいね。